餌やり

229 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ :04/03/20 18:18
俺が小学生か中学生の頃、物質的にも精神的にも非常に荒廃した団地に住んでいて、そこは日本人低所得者や中国・朝鮮人系の巣窟だった。
ドブの異臭が鼻につく最悪の団地。
その団地は例年ヤンキーの大量促成栽培場だった。
しかし、悪いのは人間の生活水準だけではなく、猫の生活水準も悪かった。猫といっても飼い猫ではない。
野良猫である。
同じ団地に住むヤンキー達と同じように、その沢山の野良猫達は10~15匹ぐらいで軒下に住んでいて、独りの近所のおばちゃんが残飯をやって育てていた。
餌をもらえる日と、無い日があるようで、猫はとても貧しい風情である。
ある日、とてもやせ細っていた猫達を見て、幼い俺は何を思ったのか、家にあった(数匹のゴキブリの捕獲された)ゴキブリ・ホイホイを、4階から地面へ投げて、彼らへの緊急食糧援助物資とした。
猫達は喜んでゴキブリ・ホイホイに付いたゴキブリを食べていた。
何だ、食べるのか!
そう思った俺は、更に幾つものゴキブリホイホイを投下した。
その時はとても良い事をしたと思っていたが、下を歩いていた近所のおじさんが「ゴキブリ?!」と騒いでいたので、怖くなりそのまま家に飛び込み、それっきりその出来事は忘れていた。
数日後、俺は突然、深夜に金縛りに遭い、巨大な野良猫にのしかかられる夢をみて眼を覚ました。
その猫は確かにあの日、ゴキブリを食べていた猫だった。
その時は何で俺がこんなに怖い目に遭わなければならないんだ?!と考えていた俺。
大人になって後から思うと、あの頃はとんでもない事をしたと思い反省している。
猫達がゴキブリを食べた数日後、軒下の猫達の数がかなり少なくなっていた。
俺に夢でのしかかってきたあの猫は、苦しんで死んだと友達のお母さんに聞いた。

猫さん達、本当にごめんなさい。

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