中古マンション

947 名前:中古マンション 1/2 :04/03/06 05:45
友人から聞いた話し。

上司の紹介で、格安の中古マンションを手に入れて半年。
夜中にタバコが切れて、買いに行こうとエレベーターに乗ったら、
途中の階から見知らぬオバチャンが乗り込んできた。
『1階でいいですか?』と声を掛けたら『はい』と言うので
そのまま扉を閉めて下へ降りて行った。
通過階を示すランプを眺めながら『もうすぐ1階だな』と思っていたら、
エレベーターはなぜか1階を素通りして下の階へ。
友人は不思議に思い、階指定のランプを確認すると、
たしかに1階の部分は光っている。
『あれっ!?』と思った途端に地下1階の駐車場でドアが開いたが、
そこには誰もいない。
『変だな?』と訝りながら扉閉めのボタンに手を掛けようとした時、
後ろの方から『もう下には行かないのよ』と言う声が。

慌てて振り返ると、乗り合わせていたオバチャンが
扉の外の薄暗い空間に向かって話しかけるように、もう一度、
『下には行かないのよ』と言って、操作パネルの傍に立っていた友人を
押しのけ、自分で扉閉めのボタンを押した。
エレベーターはすぐに1階に戻り、唖然とする友人をあとに
オバチャンはサッサと降りてしまったが、友人にはふと思い出すことがあった。
それはまだ引越して間が無い頃、
降りて来たエレベーターに乗ると既に老人がいたが、
その時もエレベーターは1階を素通りして地下の駐車場で止まった。
老人も1階で降りると思い込んでいた友人は、
自分で階指定のボタンには触れなかったので、
それほど不思議には思わなかったが、あの時も老人はたしかに、
『今は下には行かないんだよ』と呟いて、扉を閉めたのだ。

友人はその後、このエレベーターがかっては、
地下2階の機械室まで直通していた事を知ったが、
現在なぜ地下1階で終わり、わざわざ階段で機械室に
下りるようになったかまでは分かっていない。

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