ほどほどに

674 :雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOM @\(^o^)/:2014/06/05(木) 19:54:03.16 ID:Mvm4H1r50.net
知り合いの話。 

彼の祖父はかつて猟師をしていたという。 
遊びに行った折に、色々と興味深い話を聞かせてくれた。 

「深い森を歩いているとな、何処からか団栗が投げ付けられる山があったよ。 
 当たっても別に痛くもないが、何故か全身から力が抜けちまうんだ。 
 ヨイヨイになってろくに歩けなくなるから、そこで猟はお終い。 
 獲物を何匹か仕留めた後に限って、よく飛んできたモンだったわ」 

「何というか『もうここいらで帰れ』っていう知らせかと思うとったがな」 
祖父さんは飄々とした顔でそんなことを言っていた。

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