向かいの火事

739 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ :03/08/17 16:53
怖くはないけど、リアル体験談です。 

俺が小学生のころ、夜中に犬が吠え続けているのを聞いて親父が見に行くと、3メートルくらいの 
道を挟んだ向かいの小さな工場が火事だった。 爆睡していた俺と兄貴はおかんにたたきおこされ 
て、財布らしき物を持たされて外に出されて、その家事の現場を見てた。 閉まったシャッター 
の間から煙が押し出され、小学生の俺でもこりゃかなり燃えてるんだろうなと思った。  
消防団がきて放水を始めると、しばらくして上のほうから家の原型が崩されていった。 シャッター 
も焼け落ち、炎の熱波をより強く顔にぴりぴりと感じていた。 おもむろに俺は小石をつかみ、燃え 
さかる工場の空間へ投げた。 投げると中で何かがガラガラガッシャーン!と崩れたが、誰も何も気 
付いていないようだった。(なぜそんなことをしたのかは不明。 なんとなくね。)   

その工場の持ち主の老夫婦は二人ともドリフのコントみたいに顔を黒くしていたが、全くの無傷だっ 
た。  結局その工場は全焼、向かいの俺の内のコンクリートの壁がちょっと汚れ、工場の隣の家の 
庭にちょっと被害があったくらいだった。 ものすごく隣に密接しており、木々の多いこの場所、周 
りに燃え移らなかったのは風がほとんどなかったのと、空気が湿気ていたから、なにより発見が早か 
ったかららしい。 とても運が良かったそうだ。 

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