別荘

488 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ :03/08/05 00:16
去年の秋頃の話。 

ウチの両親が定年退職後の楽しみとして,某所に別荘を建てた。 
完成直後に荷物運びの手伝いがてら見物に行ったのだが, 
目の前が電力会社の保有林で人工物もなく,観光船で 
川下りをしているのが見えてなかなかよいところだった。 


事前に連絡をすればいつでも使って良いよ,と言われたので 
ある日嫁さんと友人夫婦との4人で,泊めさせてもらうことにした。 

バーベキューなどしているうちに夜も更けたので, 
二階に友人夫婦・一階におれと嫁さんという部屋割りで寝た。 

うつらうつらしていると,とつぜん窓の方で「ガチャン」と 
いう音がして,それにビックリしたのか嫁さんがしがみついてきた。 

その音は窓に鍵をかけた音と同じだったし,戸締まりはおれがした事もあって 
「ああ,中途半端に鍵かかかっていたんだな。しかしこんな音で 
怖がるなんてカワイイ奴め」などと思いつつ,嫁さんの頭をナデながら 
再び眠りについた。(ただのノロケだが新婚なんで許してくれw) 

翌朝友人夫婦を起こしにいくと,奥さんに妙なことを聞かれた。 
明け方頃,おれが二階にこなかったか?と言うのだ。 

もちろんそんな覚えはないのでどうしたのか聞くと, 
明け方頃だれかが部屋にきて「あ~ うんうん。この寝かたでおっけ~」 
と言って部屋を出て行ったそうだ。 
その口調がおれのしゃべり方に似ていたので,奥さんはてっきり 
おれが部屋にきていたと思ったらしい。 

そりゃ寝ぼけていたんだよ,などと笑いながら一階に降り、 
その話をウチの嫁さんに話すと,少し言いづらそうに嫁さんが語りだした。 

実は前の夜,鍵が閉まる音を聞く直前に、風呂からシャワーの音が聞こえてきたらしい。 
嫁さんは始め川の音かと思っていたが,ピチャピチャピチャと明らかに水が体に当たる 
音がするので妙に思い始めた。 

おれたちが寝ていた一階は部屋の仕切りがなく,一つのフロアだった上に, 
風呂のすぐ近くで寝ていたため誰かが通ればすぐに気づくはずだ。 

意を決して風呂場を除いたが,当然ながら誰もいなかった。 

首を傾げつつ布団にもぐりこんだところ、件の鍵の音が聞こえてきたそうだ。 



結局なんだかよく分からなかったが,そんな事があったとは露知らず, 
朝、嫁さんの話を聞いてほんのり。 

ちなみに嫁さんは,びっくりはしたけどあまり怖いとは思わなかったそうだ。 
以来,うちらの間では「座敷童子くん」と呼ばれており,今度の週末にも 
会いに行く予定です。(w 

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