のろ@特選怖い話:2017/03/09 06:49 ID:bc8Pk6fM
これは先日自分が体験した少しゾッとした出来事です。


月曜日いつもの時間に事務所に着くと、上司が私を見るなり
「あれ??なんで着替えてるの??」と聞いてきた。
ん?と思いながらも上司がボケたのかと思いスルーした。

水曜日に事務所の受付にいるNちゃんが
「あれ??忘れ物のついでに着替えたの??」と聞いてきた。
私は今出てきたばかりだし、この服も今日一日中着ていて着替え何て持ってきていない。
他の人と勘違いしてるんだろうと思い、あまり深く考えない事にした。

木曜日、隣町で仕事をしている友人からメッセージが届いた。
『○○(姉の名前)、今日スタバ行ったか??××駅の近くにあるやつ』
今週は忙しくて事務所から出てないというと
『実はさ、さっきお前にそっくりな人見かけたんだよね。
 あなりにも似てたから写真も撮っちゃった』
送られてきた写真には私が映っていた。スタバの窓際にあるテーブルに腰を掛け、
お気に入りのワンピースを着て呑気にカプチーノを飲んでいる自分が映っている。

「ドッペルゲンガー」という言葉が思い浮かんだ。私のドッペルゲンガーが
ウロチョロしているなら月曜日や水曜日の出来事にも合点が行く。
話しには聞いていたけど、本当にあるものなんだなと以外にも冷静だった。

そして問題の金曜日がやって来た。
その日は夜遅くまで残業をしていた為、事務所をでたのが夜の9時だった。
携帯を眺めている内に先程読んだエレベーターが到着しドアが開いた。

しかし私は入れなかった。

だって中には私がいたからだ。
またしてもお気に入りのワンピースを着て、スニーカーを履き、笑顔で私を見つめている。
エレベーターのドアが閉まるまで互いに動く事なく、彼女はあの笑顔を絶やさず、
私は金縛りにでもあったかの様に動けなかった。

今のはなんだ?あれは私なのか?いや、私は私だ。じゃああれは一体?
エレベーターの前に立ち尽くし同じ質問も繰り返し自分の問いかけているうちに、
後から出てきた同僚に肩を叩かれ我に返った。

さっきまでの出来事を早く家族と相談したくてその日は寄り道せずまっすぐ家に帰ると弟が


「あれ??姉ちゃん今お風呂入らなかったっけ??」


その一言で全身の血の気が引くのを感じた。
風呂場からは確かにシャワーの流れる音が聞こえる。
勇気を振り絞って風呂場に駆け付けドアを思いっきり開けたら、そこには
水が出しっぱなしのシャワーしかなかった。

その日以来、私の身の周りにもう一人の私が現れる事はなくなった。


長文・駄文失礼しました。

前の話へ

次の話へ