伊勢うどん屋

967 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ :03/06/29 01:29
はんなりと怖かった話。 
小学生のお盆休みに田舎に泊まり、何だかんだと引き留められて 
田舎の家を車で出たのはもう夜6時過ぎだった。 
車を走らせているうちに家族全員お腹も減ってくる。 
ふと「伊勢うどん屋」の看板が目に入った(田舎は三重)。 
今思うとかなり汚くて小さいその店だったけど、とにかく腹減ってたんで車を止め、 
店に入る事にした。 

中に入ったら店員が二人いて、一人は中年のおばさんだったけど、 
もう一人の店員が何かどうも普通じゃない。 
何て言うか子供みたいに背が低くて、でも顔はモンゴル人系の大人の顔。 
その人はいわゆる「ダウン症」だと後で親に聞かされた。 
失礼だけど今までそんな人見たのは初めてだったから、衝撃的で怖かった。 

でも話はまだここで終わらない。 

伊勢うどんを頼んで食べてたのはいいんだけど、そのうちトイレに行きたくなった。 
母親に言うと同じ気持ちだったらしく、おばさん店員にトイレの場所を聞いた。 
トイレは店の裏口を出た中庭にあると聞かされ、私と母親は中庭に出た。 

中庭には木で出来た倉?みたいなのが庭を囲むように建ってた。 
薄暗くてどこにトイレがあるのかわからず、私と母は倉をあちこち開けて回った。 
そしてある倉の入り口を開けた時。 
私と母は思わずゾッとそこに立ちつくした。 

そこは、人が一人入れるトイレぐらいの大きさの納屋だった。 
床にはポッカリと丸い穴が開いていた。 
そしてそこに・・・・血塗れの肉の塊がいくつもいくつも積まれてあった。 

月明かりで見るその肉は、めちゃくちゃ不気味だった。 
二人の頭にその時あったのは(あれは人肉では?)という事だった。 
私と母はその瞬間恐ろしくてたまらなくなり、トイレなんかどうでもよくなって 
慌ててそこから逃げ出した。 
もうその後は二人で、早く帰ろうとひたすら父に懇願していた。 

今考えると、全然大した事は無い。 
おそらくあの肉は、料理用に使われる豚肉か何かだと思う。(何であんな場所に 
積んであったのかは謎だけど) 
それでも、小学生だったあの時の自分には怖くてたまらない出来事だった。 
それに拍車をかけていたのが例のダウン症の店員さんの存在でもあったと思う。 
特に何かされたわけでもないのに、当時はほんとに彼女(確か女性だった)が 
今にも現れそうな気がして、夜中に泣き出しそうになった事を覚えている。 

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