呼びかけられる
890 本当にあった怖い名無し sage New! 2012/12/20(木) 14:45:19.44 ID:i+bOqRit0
岩関係の地元の昔話を一つ
昔嵐があった後で、ある場所を通ると「おーい、おーい」と呼びかけられるようになった
周囲を探したが誰もいない。そんなことが何度もおきるようになった
始めは夜だけだったのが昼も呼ばれるようになり、声も悲しそうな泣く様なものに変わっていった
噂は広がり、皆気味悪がってその道を避けるようになった。
どうしても通らなくてはいけない時は数人でびくびくしながら通るようになった
ある時旅の坊さまが通りかかった。村人はこの先にはこんなことがあるから通らないほうがいい止めた
坊さまはこれも修行のうちと言って、丁寧に礼を言って去って行った
翌日。坊さまが村に戻ってきた。心配する旅人に笑いかけながら、怪異の招待を解き明かした
呼びかけていたのは、嵐の夜に山から転げ落ちた岩だという。
仲間のいる山の上に戻りたいが一人では戻れないので、一生懸命人を呼び止めていたとのこと。
誰も気付いてくれないし人もっとらなくなったので、寂しくて悲しくて仕方なかったらしい
それを聞いた村人は坊さまの指揮の下で、岩を元の位置に運び上げてやった
それからは怪異はなくなった
その坊さまは、役の行者とも、行基和尚だとも、弘法大師だとも言われている