検死

507 本当にあった怖い名無し sage 2013/01/09(水) 12:53:54.86 ID:M6t5Z/IwO

この前、友人が山村の病院に勤めていた時の話をしてくれたんだ。 

そこは名山が連なる地域で、遭難者も多かった。山中の現場に出向いての検死を行うこともあった。 
夏のある日、要請があり滑落事故現場に出かけた。時間をかけて崖を降り、ようやく事故者の前にたどり着いた。 

滑落者の損傷は激しく、羽虫が飛び交い、露出した傷口には白い蛆が動いている。物凄い臭いがする。 
「完全に死んでいる」誰が見ても分かる。 
そんな状況でも、死亡確認をするのが医師である彼の役目だった。 
嘔気を堪えながら脈拍を確認、瞼を開けて瞳孔にライトを当てる。 
「何やってんだろ俺」と思った次の瞬間、遺体の瞼が動いて指が弾かれてしまった。眠っている人の眼を無理矢理開けたような感じだったと。 
「勿論死んでた。ちょっと気味悪かったな」  

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