スープスネーク
586 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/07/28(月) 23:33:54.43 ID:L0lZKKPsi.net
ローンオークにて
苺摘みの季節は背中が痛くなる。身体を屈めるためだ。
単調な作業に飽きると、子供らはおばあちゃんにフープスネークの話をせがんだものだ。
「遠い昔の事だった」いつもこういっておばあちゃんは話し始めた。
「お前が生まれるよりもずっと前、鹿があちこちに棲み、まだ何人かインディアンが
住んでいた頃だね。お前たちのお父さんが泉の辺りの斜面に初めて苺を植えた頃だよ。
で、6月のある日、そこで私たちは苺を摘んでいた。
ブリキのバケツがいっぱいになったので立ち上がり、背を伸ばした。
忘れもしない。その時、蛇を見たんだよ。
黒ずんで、長さは6フィートぐらいあったかしら?
それが真っ直ぐ私たちに向かってきた。
私が立ち上がると、それはこっちを見て干し草畑の方へ向きを変えたの。
それからその畑の縁に沿って、逃げて行き、草の中に逃げ込んだ。
頭を少しずつ高く上げながら前に進んで、牧草地の塀の下までやってきた。
それから尾を口で挟んで、輪のように回りながら姿を消した。
私は酷く興奮して、バケツに入っていた苺をひっくり返して拾い直さなきゃならなかった。
あの時の事は今でも忘れられないわ。」
この砂丘の土地で、フープスネークを目撃したと主張したのはおばあちゃん一人ではなかった。
こうした伝説的な転がる爬虫類は、この時代のこの地方の民俗の中に数多く見られ、
さほど珍しいものではなかった。