庭の松

330 名前:300 :03/06/04 00:45
後日談。 
同業者さんは重要参考人として未だ警察に引っ張られているそうです。 
結局、現場の人間には事実を語ること無く、作業をしてもらいました。 
しかし作業員の数人が 
「ここは雰囲気が変だ。絶対、何かあったはずだ」 
と異変を訴えていたそうです。 

以前、私の父もオペレーターと共に現場の下見に行った時、 
生温い風が顔に迫って来るような感触を受けたと言っておりました。 
霊感の全くない父は、変な風が吹く日だなぁ」としか思っていませんでした。 
しかし霊感の強いオペは 
「あの松で絶対になにかあった!」 
と庭の松を指差して騒ぎ出し 
「私よう近づけませんわ。社長さん、ここで何があったか近所に聞くべきです」 
と言って仕事になりません。 
父はまさかと思いつつ隣の家を尋ね、 
「誠に失礼なのですが、以前、隣で何かあったでしょうか?」 
と聞いたところ、オバチャンは目を丸くして 
「あらアナタ何も聞いてらっしゃらないの!?…実は隣の家主さん、 
そこの松の木で首吊りなさったのよぉ」 

急遽、お払いが執り行われたそうです。 

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