自動車免許試験場でのこと

179 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ :03/05/30 16:03
試験場でのこと 

埼玉の自動車免許試験場は今は鴻巣だけど 
移転する前は大宮にあった。 
大宮試験場で免許が取れた最期の年の話。 

一度目の試験に落ち、再チャレンジで合格。 
(やれやれ←ナサケナー)とほっとしながら 
免許が出来るのを待っていました。 

古びた広い講義室。 
教官の眠たい話。 
でも、あとちょっとで免許が手に出来る。 
欠伸をぐっとこらえながら、頑張って 
起きていました。 

ある日、私は車を運転していますた。 

白い車です。 
一人でドライブ。 
こじんまりとした古びた町並みです。 
そんなに速度は出していませんでした。 

が。 
   を避けようとゆるりとハンドルを 
左に切ったら、なんと目前にいきなり電柱。 
衝突。 

体が前のめりに浮き上がる。 

シートベルトしてなかった。 
フロントガラスに頭からあたった(ゴツリ) 
意外と鈍い衝撃。 
弾かれて直下のダッシュボードへ顔から 
突っ込みます。 
中心部から墨が湧き出すように黒くなる 
視界。 
同時に鼻の奥へ走りこんでくる鉄臭い 
暖かい液体。 

顔って、まず皮膚があって、肉があって 
骨があって..と確かめるように順に顔 
が砕けてゆくよう。 

なぜか右の後方から(ガッシャーン)とキンキンした 
音が聞こえます。 
そして視界は真っ黒になりますた。 
ぅゎ~。 

と、目前に木目。 
顔を上げれば、まだ講義室で教官は眠たい話を 
続けていて、私はまだ免許を手にしていない。 


以上が十数年前に体験した、ほんのり後味の悪い 
白昼夢(多分)ですた。  

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