トイレの手

129 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ :03/05/28 00:39
俺が小学生だったころの話だ。昔の事で、また、田舎でもあったので、 
俺の小学校のトイレはくみ取り式だった。 
女子トイレを含めた大便器の下が、つながった一つの 
便漕になっており、ちょっとしたプールくらいの広さになっていた。 
まだ体もちいさく、大便器の口がかなり大きかった事もあり、 
子供心に「落ちたら大変なことになるなー」と思っていた。 

ある日の放課後、5~6人で遊んでいた俺たちは、そろそろ 
帰ろうと言い出したが、中の一人が 
  「ちょっとトイレ行って来る。待ってて」 
と言って教室から出ていった。 
…長い。妙に長い。下校時間の放送がもう近かった。 
と、ようやくそいつが戻ってきた。 
  「なにやってんだよー」 
…見るとそいつは蒼白になっている。 
  「便所の中に…手が浮いてる…」 
  「!!」 
下校時間も間際だった小学校は、突如蜂の巣をつついたような 
騒ぎになった。俺も便所に行ってのぞいてみた。うむ、確かに 
人の手のように見える。先生にすぐ知らせるべきか? 
と、仲間内で一番度胸のあった奴が掃除モップの先の布を 
はずした奴を持ってきた。便所の中に突っ込んで、手を引き上げる…! 
やめろ。その先にあるものを、俺は見たくない。 
しかし幼い視線は引きつけられた用にモップの先から離せない…! 

…引き上げられたものは、元は白かったらしいゴム手袋だった。 

前の話へ

次の話へ