稲荷社

836 雷鳥一号 sage 03/11/24 11:00
同僚の話。 

親戚が山を持っていて、その手入れをするというので呼ばれた。 
下生えを刈ったり倒木を片付けたりしていると、小さな稲荷社に気がついた。 
木立に覆い隠され苔生していたのを気の毒に思い、きれいに片したのだという。 
ついでに弁当を少し分けて、お備えしてから帰ったそうだ。 

その日の夜半、彼は動物の甲高い鳴き声で目を覚まされた。 
なぜか聞いたことも無いのに、狐の声だと分かった。 
後日聞いてみると、掃除に参加した親戚全員が夜中にその声を聞いたそうだ。  

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