デパートのエレベーター

98 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ :03/04/18 11:03
あるデパートでエレベーターに乗った。 
かなり多くの人が乗り込み、ほとんど満員になった。あと2名乗れるかどうか。 
俺は「開」ボタンを押し続けていた。 
と、そこへ小柄な女性が乗り込んだ。とたんに重量オーバーのブサーが鳴った。 

ちょっと違和感を感じた。この人が乗ってオーバーになるだろうか? 

「あ、すいません」 

彼女は後ろを向き、誰もいない空間にささやいた。 

「後のにしてちょうだい…」 

とたんにブザーが鳴りやんだ。 

俺は異様なものを感じ、その場で固まってしまった。 
エレベーター内に言いようのない雰囲気が満ちた。 
彼女はツッと手を伸ばし、俺の手を「開」ボタンからそらした。 
扉が閉まり、エレベーターは動き始めた。 

「つきまとわれているんです…でも大丈夫。 
悪い人じゃないから…」 

パネルに目をすえたまま、誰に言うともなくつぶやいた。 

次に止まった階で俺は降りた。ほとんどの人がそうしたと思う。 
ビルの反対側にある階段を駆け下りて、デパートから逃げるように 
立ち去った。 

彼女には二度と会わなかったし、その後を知りたいとも思わない。 
ただ、今でも疑問なのだが、霊というか、お化けというか… 
そういったものに、重さってあるものなのだろうか? 

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