片田舎のラブホテル
524 名前:ありがちなのに本当の話 :03/03/29 15:29
ちょっと昔の話です。
彼女と車で旅行していて宿泊するところがなく、とある地方都市の片田舎のラブホテルに入りました。
ラブホテルといっても、建物は旅館に近い雰囲気で、建物の中に入っても誰もいない。
きょろきょろしていると、声がするので振り返ると、いつの間にかお婆さんがいて、
(ここで怪しいと思うべきだった)部屋に案内してくれた。
「ここって、普通の旅館だったんだ・・・」
と思いながら、部屋の中を見ると、夏だというのに、壊れかけた石油ストーブが置いてあり、
部屋中埃だらけで、湿っぽい感じがしている。
イヤーな予感がしていると、トイレに入った彼女が真っ青な顔をして出てきて、
「水洗の水が真っ赤だった・・・」
「こんなところ、もう居られない!」と、部屋を出、苦情を言おうとさっきのお婆さんを探したが、
やっぱり誰もいない。
結局、そのまま車に乗り立ち去ることにしたのですが、
最後に振りかえって建物を見ると、さっきまで見ていた建物とはまったく違った外観に
いつの間にか変わっていて、そこには崩れかけた廃屋が建っていました。
そのあとは、二度と振り返らず、30分くらい車を飛ばしつづけました。
お婆さんや、トイレの水くらいは、偶然でありえることですが、
最後の、普通だった(と見えていた)建物が一瞬のうちに、廃屋に変わっていたのだけは、
今でも理由がわかりません。