テーブルの向かいの女

936 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ :03/03/13 11:57
小さい時の話だが、うちは母親が江帆場の承認だった。そのせいで小さい頃は「研究会」とかいう名目で 
聖書読んだり研究用の読み物的なものを読まされたりしていた。集会と称して近くのブラザーやシスターの 
家に集団で上がりこんで「研究会」をやる事もしばしばで、無論俺も引っ張って行かれてた。 
小さい子にはその研究会は退屈でよく居眠りをしてたんだが、なぜか研究会で見る夢はハッピーな夢が多かった。 
いい夢が見れるからと言って進んで研究会に行く事もあったくらいだ。 
そんな折、いつものように研究会でウトウトしてると、周りに居たはずの母親や江帆場関係者の姿が消えていた。 
目の前に家で使っているテーブルがあり、俺と向かい合わせに知らない女の人が座って微笑みかけているのだ。 
瞬間的に俺は「これは夢だな」と直感できた。向かいに座る女の人は何か話すでもなくただこっちを見ているだけで、 
薄気味悪くなった俺が(もう目を覚まそう)と思った途端、「ダメ」という声が頭に響いた。相変わらず向かいの女の人は 
こっちを笑顔で見ているのだがさっきまでとは雰囲気が全く違い、言いようの無い純粋な恐怖感のみを放っていた。 

なぜこんなにこの人が怖いのか自分では分からないのだが、本能が「この人は悪魔だ」としきりに告げていた。 
体が凍りついたように動かず声もだせなくなっていたので頭の中で江帆場や御使い(いわゆる天使)の名前を並べ立てて 
「助けてください助けてください助けてください!!」と必死になって念じていた。ところが向かいの女の人は更にニヤっと 
奇妙な笑みを浮かべながら「江帆場?御使い?そんなの何でもないわ」と頭の中に語りかけてくる。頭はパニックで 
体も震えっぱなしなんだが、信じきっていた神様が何の助けにもならなかった事がなぜかはっきり意識できた。 
すると女の人が「あらごめんね。もう行かなくちゃ。」と言ったような気がした。その言葉と同時にハッと目が覚めたのだ。 
実際は汗をかいてなかったのだが、それからしばらくは体の芯に震えが残り、じっとしていたら体が震え出していた。 
それ以来研究会に行くのは嫌になり江帆場も「偽者だ」と信じなくなったんだが、夢で見た女の人は「本物だ」と、15年以上 
経った今でも思っている。その女の人はそれ以来夢にも出てこないが、全く色あせない恐怖の映像として頭に残っている。 

おわり 

ん、怖くないか。スマソ 

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