手鏡

29 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ :03/02/17 21:20
 友達から聞いた話です。 
彼女が西荻窪に引っ越した時、近くのリサイクルショップで手鏡を 
買ったんです。 
柄に飾りのあるアンティークぽいもので、あまり中古品が好きでない 
彼女も一目で気に入ったそうです。 
ある夜、風呂上りにお肌のチェックをしていた時のこと、なぜか鏡に 
映った自分の顔に影が差したような気がしたそうです。 
蛍光灯の真下に移動しても、なぜか仄暗く、あまり光を反射していない 
ように見えたといいます。 
やっぱり古いものだから、目に見えない傷や汚れで、映りが悪くなった 
のかもしれない。彼女はそう思って、その夜は寝てしまいました。 

翌朝目が覚めると、体がひどくだるくて、彼女は大学を休んだそうです。 
その次の日になると熱も出て、起きることもできないくらい。 
彼女は友人に電話して、病院に連れて行ってもらいました。 
体が衰弱しているとのことで、急遽入院することになり、その友人が着替え 
などを取りに部屋に戻りました。 
一通り準備して、友人が戸締りのチェックをしている時のことです。 
なぜかテーブルの上の手鏡に目が行き、何気にそれを手に取りました。 
鏡の表面は黒いフィルターを貼ったようになっており、何も映らなくなって 
いたそうです。 
友人は不思議に思い、手鏡を持ってベランダに行きました。 
太陽の光で照らした瞬間、鏡にうっすらと顔のシルエットが現れたそうです。 

それは、友人の顔ではなかったのです。 
目鼻立ちは暗くて分からなかったのですが、髪型は違いました。 
三つ編みだったそうです。 
友人は驚いて、思わず手鏡を落としました。 
鏡は粉々に割れ、破片が飛び散ったそうです。 
そして、鏡の裏面から一枚の写真が出てきました。 
色あせた白黒の写真です。 
それにはサングラスをかけた、三つ編みの若い女性が映っていたそうです。 

その後すぐに、友人は鏡と写真を持って、お寺に行きました。 
(お寺は、そういうことに詳しい知り合いに紹介してもらったそうです) 
そこで供養してもらったところ、彼女の体調も回復したそうです。 

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