あの家



704 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ :03/02/12 14:37
札幌で働いていたときの話です。
季節は3月くらいだったでしょうか。
当時僕は飲食店でバイトしていて、店が終わったあと夜景を観に行こうとなりました。
夜中1時くらいに出発して同僚の女の子(直美 仮名)と男(純也 仮名)と僕の計三人で
隣町まで行って夜景を楽しみました。
夜景スポットからの帰り道、後部座席の純也が「そういえばあの家ここから近いですよ」と
言いだしました。 あの家とは札幌では有名な一家心中があったという幽霊屋敷でした。

ここは何年か前に行ったときも不思議なことが起こり、他にも色々聞いていたし
あまり行きたくなかったのですが運転していた直美がどうしても行きたいと言うので
車から降りずに見るだけという条件でOKしました。
周りには何もない一本道に面してその家はポツンとあります。 その家の前に車を止めて車内から家を窺いました。
直美は降りたいと言い出しましたが僕と純也が断固拒否したので直美は渋々車を発進させて、5分ほど走った先にある
コンビニに向かいました。 コンビニでタバコやジュースを買いこみ、さあ帰ろうとなり今来た道を戻りました。 

札幌に帰るにはまたその道を戻り家の前を通るしかないのです。 
まだ寒い時期ですから車内には暖房がきかせてあり、コートを着て運転していた直美が途中で
「ちょっと暑いから車とめてコート脱ぐね」と車を止めました。

ふと車の外を見ると何と家のまん前です。かなり嫌な感じがしました。
大きな通りに出るまでの道沿いにはその家しか建造物がないのですから。
「おい、おいこんなところで止めるなよ」 「ほんとだ。ごめん、ごめん」
「はやく車だせよ」 「あ!ベル鳴ってる。ちょっと待って」
直美はポケベル(笑)を取り出しました。ベルを見た直美は「ひぃあっ」と小さく叫んで固まっています。
「おい、見せてみろ」直美の手からベルを取り上げ液晶を見るとグリーンの画面に一言

            タスケテ

あわてて僕と純也はショートメール(藁)が入らないように携帯の電源を切りました。 

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