座敷部屋

878 :本当にあった怖い名無し[sage] :2009/10/28(水) 11:28:16 ID:2zS6j36NO
田舎にある実家に仏壇と神棚が異常に沢山ある 
いわゆる本家ってやつで古くて大きい家なんだけどね 
西側に3つ仏壇を置いてる大きい部屋があって 
ちょうど反対の東側の大きい部屋にかなりデカイ木彫りの社を置いた神棚が一つとその周りに小さくて赤い社を置いた神棚が3つ 
その部屋には婆ちゃんと何回かだけ入ったことがあるんだが赤茶に錆びて鍔とか握るところがないむき出しの小刀と狐の人形?像?みたいなのが沢山あるとにかく変な部屋 
それから一階真ん中の部屋、祖父の部屋に七福神の像や巻き物みたいなのが沢山飾ってあるんだが絵も像も何故か恵比寿さんと大国主さんの2神しかいない 
船に2人しか乗ってないからシュールw
住んでた頃、西部屋はいいが東の部屋にはむやみに入らないようにと言われててなんだか怖さもあってあまり入らなかったんだが大人になって今思うと俺ん家ちょっとおかしいな
友達にもお前ん家広いし変な感じするからおもろいwってよく言われてたような気がする。 
それから中学の頃に一回変な事があったんだよ

中学の頃にできた仲のいい友達の佐藤(仮)って奴が家によく泊まりにきてた 
なぜかと言うと家が気に入ったらしい 
佐藤はサッカー部で背が高く明るくて結構モテる奴だったがちょっと好奇心旺盛で心霊スポットに1人で行って写真撮って血の付いたカルテを持ち帰ってきたり交番に花火投げ込むような危ない奴だった 
「お前の家、デカいし不気味だし面白いよなぁいいなぁ」 
と来る度にそいつは言っていた。

ある日、いつものように泊まりにきて適当にゲームしたり談笑して夜中の2~3時くらいかな2人共なんだか寝られなかった。すると 
「探検したくなってきた、いこうぜw」 
とかなんとか佐藤言い出した 
まあ寝られず暇だったし1人で行かせて変なことされても困るので俺も付いて行くことにした 
なにせ広いもんだから廊下の電気も少なく、懐中電灯を引っ張り出して家の中を周り始める 
祖父は既に他界していて両親も旅行でいなかったので家には祖母だけだった。

自分の家だが夜のこの家はかなり怖かった。普段夜中に行くのは居間台所かトイレぐらいだったから 
まあ何か出るわけでもなく、端から歩いて座敷の人形を怖い怖い笑いあったりして、東側の神棚がある座敷部屋に着く 
佐藤には何度かこの部屋の話をしていたので当然知っていた。 
というか今思うと佐藤はこの部屋が見たかっただけなんじゃないだろうか 
当然俺は 
「ここはやめとけ」と言ったわけだが佐藤は笑いながら 
「いいじゃんいいじゃんw死ぬわけじゃなかろうしw」 
と普通に開けて入って行った。 
「絶対に入るな!」とは言われてなかったしまあいいかと思ったがチキンハートな俺は昼でさえ暗くて気味が悪いあの部屋に入るのは嫌だったので「あんま触るなよー見るだけなー」と外で待つ事にした。 
10分くらいかな?5分くらいだったかもしれない…佐藤が中々出て来ない… 
呼んでも返事がない 
「脅かそうとしてるんだろw糞がw」と思い放置して戻ろうかとも思ったがそれはそれで怖いので入ってみることに 
で、おそるおそる入ってみたんだけど佐藤が突っ立ってた 
部屋の奥中央上にあるかなりデカイ社が置いてある神棚をジッと見てるだけ

俺「おい!なにやってんだよw」
佐藤「ぁ?ああ、すまん、見てた…」

と薄ら笑いしながら突っ立ってぼやいてたんだ 
薄気味悪いし早くこの部屋からでたかった俺は戻るぞと佐藤を引っ張り部屋から出てそのまま急いで部屋まで戻った。 
戻る間、佐藤を引っ張ったまま振り向かなかった 風呂で目をつむって髪を洗ってる時のような嫌な感じだったから

翌日、佐藤はなんだか静かだった。まあ朝はいつもテンション低かったんだけどそれとは違って何か考え事をしてるような感じで 
結局その日は何事もなく帰って行った。 
おかしかったのはそれからなんだけど 
佐藤が家に来なくなった 
前よりなんだか暗くなって元気が無くなった 
あの日以来ほとんど話さなくなって結局疎遠になって高校も別々に進学した。 
聞いた話だと高校で佐藤は不登校になったらしい 
それから先は何も知らない

終わり

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