コタツ

308 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/10/30 12:05
コタツの季節になってきたので、私の怖いネタをば・・・ 
10年ほど前の夜、一人暮らしの私は飼い猫と一緒にマターリと 
炬燵に入ってテレビをみていました。 
そこに、友人から電話が。 
「笑わないで聞いてよ。なんだか、私、幽霊に取り付かれた気がする」 
友人は震える声でそういいました。 
当時、心霊関連については懐疑的だった私は、 
「気のせいだよ。疲れてるんだよ」と、友人を宥めました。 
しかし、友人は家に幽霊がいるとの一点張り。 
しかたなく、私は一人で家にいるのを怖がる友人を、 
私の家に泊めることにしました。 
友人が来ましたが、しばらくしても、何事も起こりません。 
(私)「やっぱり気のせいだったんだよ」 
(友人)「いや、本当だってば!きっと、家にいるんだよ。怖いよ。 
     帰れないよ」 
(私)「・・・(困惑)。じゃあ、今日はうちに泊まりなよ。明日、明るくなったら 
   一緒に家に行ってあげる。そしたら、適当に荷物とって来れるじゃん。 
   しばらく、うちにいればいいしさ」 
翌日、友人の家へ荷物をとりに行きましたが、やはり何事もありません。 

※友人宅は、うちよりも狭いのですが(うちはロフトなので1LDKでも広い)、 
良く光が入る部屋なのです。 

結局、友人は2日ほど泊まり、何事も無いのに迷惑はかけれないと、家へ帰っていきました。 

私が異変に気が付いたのは、友人が帰った日の夕方。 
まだ外も明るい夕方4時ぐらいでした。 

うちには猫がいるため、いつもトイレの戸を少しあけています。 
(猫用トイレが、置いてあるんです) 
ちょっとはしたない話ですが、一人で用をたす場合、 
戸を閉めずに入ってしまうのですが、その日も、私は 
トイレに入り、20センチほど戸を開けたままにしていました。 

その隙間から、「それ」は私を見ていたんです。 
直径30センチぐらいの高さの、人形のような人間でした。 
おかっぱ頭のようなボブヘアで、ブラウスとスカートを履いた女の子。 
大きささえ普通なら、近所の子供と変らないような子供。 
「それ」がトイレの外から無表情に戸に手をかけて私を見てたんです。 
思わず声を出すと、それはスーッといなくなりました。 

消えてしまうと、今見たものが現実のものとは思えなくなり 
「見間違いだったかもしれない。・・・猫を見間違えたのかも」と、 
怖かったけれども気を取り直すことができました。 

しかし、怖い体験はこれだけではなかったのです。 
日も落ち、夕食を用意して炬燵に入ってテレビを見ていると、 
やたらと飼い猫が騒ぎます。虫でも追いかけているのかな?と 
放っていました。しばらくすると、静かになったので不信に思い 
テレビから目をはなして、炬燵周辺を見ていると、四角形の炬燵の、 
私の左側の炬燵布団が、モコモコと盛り上がり、こっちに向かっ来ています。 
猫が入り込んでいるのだろうと、布団をめくると・・・何もいません。 
背後で物音がしたので驚いて振り返ると、飼い猫は背後で走り回っていました。 

 では、今の布団の中にいた生き物はなんだろう? 

私はぞっとしました。 

炬燵布団をめくり中を確認する勇気もなく、私は汚れた食器もそのままに 
歯を磨いてロフトに上がりました。 
ロフト部分はマットだけのベッドが置いてあります。 
私は寝巻きに着替えるとすぐさま布団にもぐりこみました。 
階下では、まだ猫が走り回っている音がします。 
なかなか寝付けずにいると、なんだかお腹の下からぞわぞわと 
恐怖心が湧いてきます・・・。 

なんだろう、なんだろう・・・私は混乱しながら恐怖心を抑えていました。 
 ずしっ・・・ 
足元の掛け布団が、何かに踏まれたような重さを伝えてきました。 
私は恐怖で動けません。 

 誰か乗ってる! 

そしてまた、ずしっ・・・・ 

 上がってくる!来るな!来るな!来るな! 

それは直立で眠っている私の左手のあたりまで上がってきたのです! 
そして・・・ 

一瞬ベッドマットが浮き上がり、床に叩きつけられました。 
そしてまた、ドンッドンッ!!と、マットが床に叩きつけられます。 
上に乗っている私は、振り落とされないようにマットの両端を 
つかみ、しがみつきました。 
宙に浮いては叩き落とす、それを数十回繰り返し、今度は 
上下を交互に左右に振る。 
なんだか大きなものが玩具を振り回すように、マットを振り回すのです。 
マットから落ちたら、今度はどんな事になるか・・・それが怖くて 
私は必死に両手両足でマットにしがみつきました。 
そして、気を失ったようでした。 

目がさめると、私は涙と鼻水でがびがびになった顔で 
やや左向きにゆがんだベッドマットの上にいました。 
掛け布団も半分以上はがれた状態で。 

これが私の恐怖体験です。

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