別ルート


201 :柴犬@\(^o^)/:2016/02/24(水) 04:30:49.68 ID:1MWZvChc0.net[1/2]
今から11年前、俺がまだ小学生だった頃の話。 
あらかじめ言っておくけど多分怖い話じゃなくて不思議な話だと思う。 
あと酒飲みながらの昔話だから誤字脱字があれば気にしないでほしい。 

当時俺が通っていた学校は少し小さな田舎の学校だった。 
もちろん毎日ダラダラと遊びながら過ごしていたのだが、5年生の夏になるとイベントがあるのだ。 
自然体験学習という田舎ならではのものだ。他の学校でもやるのかは比較したことがないから分からないが、とにかく子供心ながら楽しみだった。 

どんなイベントかというと2泊3日で山の中のコテージに泊まるイベントで、
魚が逃げないよう網で囲った川に放たれた魚を素手で捕まえて石に叩きつけ串に刺して焼くとかそんな事をしてた記憶がある。 
トイレにムカデや蛇が大量発生していたのは今でもトラウマだ。 

そんなイベントの2日目の夜、ちょっとした肝試しをやる事になった。 
小学生ということもあってか4人1組の班で懐中電灯片手にルートを回るという簡単なもので、なにせ4人もいるため怖いという気持ちはなかった。

自分達の番がとうとう回ってきて、俺は前列2番目。 
一番前の奴が懐中電灯を持って歩いて行った。 
地図を片手に進んでいったが、恥ずかしながら俺は極度の方向音痴で前の奴が進む方向に金魚のフンのごとくついて行くだけだった。 

そうして歩いていたのだが、いつからだろうか。 
前の奴が懐中電灯を点けなくなっていた。 
山の中だと暗くて目の前にいるはずの友人の姿すらハッキリとは見えなかった。 
とは言ったものの、俺は方向音痴だ。ついて行くほかに選択肢はない。 
そのままボロボロになった木の階段を登っていった。手を伸ばせば前方に手がついたから、おそらく角度にして45度前後はあったかも知れない。 
もちろん違和感はあった。 
いくら小学生でも、草むらや急な階段を進んで行けば嫌でも気づくはずだ。 
「道本当にここであってる?」 
何一つ返答はない。 
いくら話しかけても全く答えてはくれなかった。 

俺もいい加減一方的に話すのには飽きてきたので、ただひたすらに前にいる暗さで姿も見えない奴の後ろをついて行くだけになった。 
そしてそのまま問題なくゴール地点に到着した。 
脅かす役であったはずの先生とは誰1人として遭遇しないまま。 

「お前今までどこ行ってたんだよ!」 
その時は意味がわからないまま怒られた。 

面白みには欠けるが、到着時ほかのメンバーとは別にゴール地点に到着していた。 
言わずもがな、俺1人が迷子になっていた形だ。 
それから数日後に調べるとそのルート、それどころかその山には俺が必死になって登った急な階段は存在しなかった。 
俺1人がはぐれていたのだから、当然前にいた人物が誰だったのかも結局分からないままだ。

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