校内放送

22 :本当にあった怖い名無し :2009/05/17(日) 21:19:36 ID:qswKzYX/O
怖くもないかもしれない、子どもの頃の些細な体験。 
小学校の頃、中学年(3、4年)ぐらいから教室周辺以外の掃除も割り振られるようになった。 
その中の一つに校舎の外の掃除があった。 
校庭や正面玄関周辺のアスファルトを軽くはいたり、ゴミを拾ったりする。 
隣のクラスが正面玄関側の半分、うちのクラスは裏庭(花壇や砂場)よりの半分。 
うまく位置関係が説明できないが、この二つは校庭で繋がっている。 
適当に校庭のゴミを拾ったり掃いたり、当然楽だし、 
いつもは人で溢れている空間を班4人ぐらいで独占できる面白さもあって人気だった。 
掃除の時間は昼休みの後。
ある日の校庭当番。 
班4人でわいわい言いながら適当にゴミを拾ってた。 
脈絡はない。けど、突然変な声が聞こえてきた。 
「あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ」 
子どもの声で平坦だった。 
しかし校内放送を使ったと思われるぐらい大きく、校庭に響きわたっていた。 
校舎にも反射しその意味不明なつぶやきは奇妙で、みんな黙り込んだ。 
多分30秒ぐらいで、声は始まったのと同じく唐突に、余韻をひいてとまった。 
風がどっと吹いた。 
黙ってきょろきょろしていた私達は固まっていたのを復活して今のイレギュラーな放送について話した。 
本当は子どもは放送室にはいれないはずの時間。 
いたずら?マイクテスト?w 
にしても変な声だな。 
みたいな

何事もなく掃除を終えて教室に引き返す途中、 
校舎の角を曲がった所にまだ隣のクラスの奴らが居た。 
さっきの何だろうね? 
と仲がいい方の子に話すけどきょとんとしている。 
そんな放送は聞こえなかったらしい。 
そのうち隣のクラスの班全員が寄ってきたが誰1人聞いていないらしい。 
嘘をついている様子はない。 
いくら放送区域を限定しても、彼らとの距離はせいぜい数十メートル程度。 
誰も聞いてないのは不可解だった。 
中でも一番私達と近い側で作業していた子がそんな音はなかったと主張した事で、 
私達はくだらない事で口裏を合わせた嘘つきの様な扱いになった。 
もちろんクラスの誰も知らない。 
先生も、子どもが放送室にいるわけない。むしろ真面目に掃除しなさいみたいな反応。 
けど、最低4人は確かに聞いたのだ。 
取り残された様な妙な気分になった。 
その後しばらく色々聞いてみたりスピーカーの位置をみてみたが、何も知っている人はいなかった。 
校庭脇の職員室や裏庭側のクラスに聞こえない方がおかしいボリュームだったのに。

卒業まではたまに、その時の班のメンバーとはこの件は話題に上がった。 
あまりインパクトがないのに長くなってすまん。 
今でも、単調に一言をただ繰り返す声を覚えている。 
オカルトではない解釈もできるだろうけど、放送室で感情を入れずその単語を繰り返している子どもを想像しても不気味。 
そんな奇妙だった思い出がオカ板みてたら蘇った。

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