窓に映るもの

663 窓に映るもの New! 2012/07/19(木) 22:52:59.06 ID:+N4K0q6r0
最近おこったことだ 
知人に話しても信じてくれず、イライラしてたんだ 
お前らなら信じてくれるだろうし、書かせてもらう 


先日、友人のA、Bと呪術について熱く語ってたんだ 
俺やABは呪術オタク?みたいな感じで 
結構呪術には詳しいと思う。 
まぁそれはおいといて、 
Aが「複数の呪術を混ぜ合わせた呪術を作れば最強の呪術ができるんじゃねぇか?」 
とかなんとか言い出した。 
はじめはこいつ何言ってんのみたいな雰囲気だったんだが 
Bと俺もなんだか興味がわいて来た。 
だがやろうとは思わなかった。 
次の日もAは言い続けてた 
だが俺とBはチキンなので無視し続けてた 
しばらくして、突然Aから誘いがこなくなった。 
Aに電話しても出ない、会社に行っても会わない。 
そんな毎日になった 
不審におもった俺とBは、酔っていた勢いでAの家に行くことにした 
この選択が間違っていたんだ 

酒を持ってAの家まで、車のマーチを走らせた。 
途中Bが吐いたが気にせずに走らせた。 
Aの家に着くと、まずおかしい 
あきらかにおかしい。 
なぜ窓が新聞で覆われている? 
もうすでに酔いがさめていて、いやな予感しかしない。 
だがBと俺はAを助けるために、A家に入った。 
空気が重い 
重く、ネットリとくっつくような空気だ 
B「うおおおおおおおお!?」 
突然Bが叫んだ 
俺「どうした?!」 
思わず声が震えた。 
B「なんだよこれ?!」 
Bが指差した先には、目玉の取れた日本人形がいくつも転がっていた 
俺「なんなんだよ・・・何やったんだよAは!!」 
よく見れば、周りのぬいぐるみなど、いろいろなものの目玉が抜かれてる。 
恐怖で逃げ出したくなった、それと同時に怒りも沸いてきた 
俺「クソッ!!ふざけんな!!」 
そばにあった箱を蹴り飛ばす。 
中から大量の目玉が出てきた。 
B「うわあああああああああああああ」 
Bが逃げ出してしまった 
Bの後を追いかけようとおもったが、体が重い、息苦しい・・・ 
俺は倒れこんでしまった 
車のエンジン音が聞こえる・・・ 
Bの奴は無事逃げられたようだ・・・ 
急に意識が遠くなる 
これは幼年期に味わった貧血と同じだ 
だが貧血とは違い、視界がハッキリしている 
おそらく金縛りだろう。 

!? 
なんだ?! 
俺が倒れている数センチ先に、黒い物が渦巻いている。 
それは不定形で、時々人の形になったり、犬の形になったり、とにかく気持ち悪い。 
複数の目玉や歯のようなものが生えていた。 
ソイツがうねうねと不規則にうねり続ける中、俺の手の甲に激痛が走る。 
ソイツが黒い触手?なのか手のようなものを俺の手の甲に突き刺していた。 
「・・・ッ・・・!??!」 
声にならない痛み 
目の前が暗くなってきた・・・ 
気を失う前に、ソイツを見た。 
ソイツは明らかににやけている。 
気持ちの悪いニヤニヤした顔だ。 
そして俺は気を失った。 

ふと気がついたら、夜になっていた。 
昨日の恐怖が蘇る。 
だがもう目の前にはソイツはいなかった 
散らばった目玉もない。 
なんだったんだ? 
俺は救われたのか? 
そんなことを考えながら、俺の家まで徒歩で帰った。 
途中でファミレスにより、Bに電話した 
俺「おいてめぇ逃げんじゃねぇよ、死ぬかとおもったわ」 
B「おおおおお!俺か!?生きてたかぁああ良かったなぁぁぁ」 
俺「生きてたかじゃねぇよてめぇ!俺がどういう体験したかわかってんのかタコ!!」 
とかなんとか言い合ってた。 
Bは俺より先に、ソイツを見ちまったらしい。 
なんだ、目玉におびえて逃げたんじゃないのね。 
とか考えつつ、タバコを手に取り、吸った。 
そしてそのまま朝までファミレスで時間をつぶした。 
周りに人がいると、安心するんだな。 
翌朝、Bから電話が来た。 
いつもより、真面目な声だ。迫力が違う。 
なんでもお払いに俺を連れて行くらしい。 
俺「ふざけんな、寝かせろ」 
B「このままじゃ危ないかもしれない、早く近くの▲▲寺へ来い。」 
Bの理不尽さにイライラしつつも、近くの▲▲寺に俺は向かった。 

寺の入り口に、Bとなにやらすごいえらそうな坊主がいる。 
なんだ?お別れパーティーでもするつもりか? 
坊主が俺を見た途端、殴った。グーで 
坊主「お前、何をした!!アレに手を出したのか!?」 
は?何言ってるの?このハゲ 
とか何とかおもってると、本堂の方に連れてがれた。 
Bといい、このハゲといい、なんなんだまったく。 
本堂に3人で入ったら、ソイツの説明をされた。 
その説明っていうのはこんな感じ 
「ソイツは傲慢な怨霊、悪霊を凝縮した、とんでもないモノだ 
お前はソイツに手の甲を刺された際に、血を抜かれた。 
血を分けた家族ということになり、下手をするとお前の血を元にして、お前に呪いを超えた、とんでもないモノを飛ばすかもしれない。 
お前にお払いをしておく、このお払いはソレを避けるものだ。ガマンしろ」 
長い説明を聞いて、お払いを受けたら、 
Bと俺は家に返された。 
これが今日の昼の話な。 
もう手の甲の紅い印のようなものは潰れちまってる。 
さされた時は、丸く、魔方陣みたいな感じだったけど 
お払いの後は形がゆがんでる。 
まぁこれで以上だ。 
さっきから俺の影を見るとうちの犬がおびえてる。 
まったく、イライラするぜ 

終 


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