腫瘍マーカー

695 :本当にあった怖い名無し[sage] :2008/10/21(火) 00:42:00 ID:HXcY35dU0
おいらも最近不思議な体験をしたんでカキコしたい。 
まぁ不思議といっても霊的なものじゃないんだけどね。 
それより運命的というか不思議な縁というか・・・
これはおいらの両親の話なんだが、おいらの両親は20年ぐらい前に 
離婚してるのね。それからは一度も二人は会っていない。2,3回電話で 
話をしたことはあるんだがそれっきり。つまりこの二人は離婚後は 
完全に赤の他人だったわけだ。親父のほうは再婚したしね。 
それでまず親父の話をしようと思う。

おいらの親父は山登りが趣味だった。もう年間に50回ぐらい山に登りに 
行ってたんだ。それも常に一人で。俺たち身内はあぶねぇな~~って 
心配していたんだが、その心配なことが起こってしまった。 
今から2,3年前だが山で遭難してしまったんだ。

みんなに言っておくが山での遭難は絶対しちゃだめだぞ。 
テレビとかで話が出てくるとおりで、本当にお金がかかるからw 
おいらの親父のときも地元の消防隊とか、山岳隊とか救助犬、 
更にはヘリも使って捜索したが結局見つからなかった。 
最終的には救助から遺体の捜索に変更されて山の捜索は継続したが 
まったく遺体どころか、遺品のひとつも全く見つからなかったんだ。 
あまりに何も見つからないので、山に登りに行ったというのは狂言で 
どっかに逃げちゃったんじゃないかとうわさが立ったぐらいだよw

とここで今度はおいらの母ちゃんの話になる。 
その母ちゃんなんだが親父が遭難してから半年もしないときから 
なんか胃がむかむかするとか言い出したんだ。 
母ちゃんはちょうど職場を変えたばかりの時期だったので、 
ストレスでそう感じるだけじゃないの~~とかおいらは 
言っていたのだが、母ちゃんはかなり心配していて 
いろいろ病院にいってX線とか胃カメラとか大腸ファイバーとか 
さまざまな検査を受けたんだけど、何の異常もなかった。 
だからますます精神的なものじゃないかと思っていたんだ。

前置きが長かったがここからがちょっと不思議なことの一つ目に入る。
母ちゃんがこの胃のむかむかで心配していたときに、 
おいらは親父の夢を見たんだ。 
実はおいらの親父はかつて医者だったんだ。そのこともありおいらも 
少々医学の心得があるんだが、その夢の中でおいらと親父が母ちゃんの 
症状のことで議論しているんだよ。 
その夢の中でおいらが親父に 
「考えうるさまざまな検査をした。血液検査、腹写、上部消化管・下部消化管 
内視鏡検査とかやったがなにもない。いったいどういうことだろう。」 
と話したんだ。

そうしたら親父が一言おいらに言ったんだ。

「腫瘍マーカーは調べたか?」

そこでおいらは目が覚めた。

知っている人は知っているが腫瘍マーカーって言うのは、 
癌検査の指標のひとつだ。つまり癌になると通常の細胞では作られない 
物質を癌が作り始める。そうするとその物質の量が血液検査で 
高い値を示すようになるんだ。それで血中の腫瘍マーカーの量を調べて 
癌の進行具合などを調べるんだ。
とはいってもこの腫瘍マーカーって言うのは初めての診察で 
調べる検査じゃない。つまり何かしらほかの検査で癌が疑われて 
初めて調べる検査なんだな。それでそもそもおいらの母ちゃんは 
胃カメラとかをやっても異常がなかったわけで、胃がんやら大腸がんやらは 
否定されていたし、そもそも夢の中の話しだし 
「母ちゃんが癌?んなあほなwww」 
ってな感じで、あんまり気にしなかったんだよね。

しかしそれから一月ほどたったとき、その夢のことを 
思い出さざるおえない事態が起こってしまったんだ。


一ヵ月後おいらと母ちゃんは医者に告げられた。 
「あなたの病気は癌です。病名はすい臓がんです。」

これも知っている人は多いだろうがすい臓がんって言うのは 
「癌の王様」といわれている癌だ。この癌は罹患した人の 
90%が半年で死亡するといわれている。 
それでこの癌の困ったところは進行が早いのもあるんだが、 
なかなか早期発見できないというのが問題なんだな。 
つまり上で述べた母ちゃんが受けた検査じゃまず見つからないんだ。 
すい臓って言うのは完全に体の内側にあるんでね、 
いわゆる胃カメラみたいな「体の外側」を調べる検査では 
発見できない。つまり体を輪切りにして調べる、CT検査みたいな 
ものじゃないと発見できない。 
もしくは「腫瘍マーカー」を調べるとかしないとだめなんだ。

母ちゃんの場合は腹部超音波で見つかった。医者のほうも 
一般検査では何も見つからないんでだめもとで超音波検査を 
やってみたんだろうな。そしたら大きな腫瘤が見つかって 
びっくりという感じだっただろう。

結局肝臓まで浸潤している末期癌で余命6ヶ月といわれてしまった。

なんか説明しづらいが、胃がむかむかするぐらいの症状では 
CT検査も腫瘍マーカーも医者は決して検査したりはしないもんなんだよ。 
というか胃のむかむかだけですい臓がんを疑うことが 
無理があるというか・・・ 
ということで発見が遅れてしまってここまで進行してしまった。

ちなみにがん発見後に腫瘍マーカーを調べたら通常の 
数百倍まで数値が上がっていた。 
だからもしおいらが夢のことを信じて発見の一ヶ月前に 
腫瘍マーカーを調べていたら早期発見できたかもしれない。

もしかしたら天国で親父が母ちゃんの危機を 
教えてくれたんじゃないかと思っている。 
それをおいらが見過ごしてしまったことをとても後悔しているよ。

とまぁこれが不思議な話なんだが、実はまだこれで終わりじゃない。 
ほかにも不思議なことが続いたんだが、話が長すぎだし 
もう眠いんで、今日はこれで終わりにする。 
また明日にでも投稿します。

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