ご先祖様の城跡にて

378 :本当にあった怖い名無し[sage] :2008/08/21(木) 16:36:13 ID:V+Hcrj/W0
数年前、高校の頃からの友達が急な体調不良になった。 
だるさ、頭痛(頭重)、などが慢性的にあるので 
病院2カ所で精密検査を受けたが、全く異常なし。 
しかし仕事も休みがちでとてもまずい状況だった。 
お祓いを勧めても、そもそも無気力なために行動力がない。 
だから「だるいだるい」と言うだけの日々だった。 
友達の唯一の趣味が旅行だったので、気晴らしのつもりで 
俺の車で小旅行へ連れて行ってやることにした。
某県の観光地へ行き、そのへんで1泊した。 
友達、鬱ではないんだがやはり暗い。飲んでても暗い。まいった。 
2日目、どっかドライブでも行くかということになった。 
宿泊した場所から、俺の家系(武家)ルーツの地まで車で1時間ほど 
だったことを思い出し(中学の頃、1度親に連れてきてもらった)、 
せっかくだからとりあえずそこ行ってからグルっと回ろうか、と。 
そのルーツの地は、大昔はご先祖様の城があり、今は一面畑。 
付近に神社があるのでそこでお祓いできるかな?とも考えた。

着いたら、以前に来たときと同じく、誰もいない。 
山の中の道をぐるーっと回っていると、友達が急に 
「なんかすげえ落ち着かない。また頭痛い」と始まったため、 
車を停めて土手で座った。友達、顔が真っ青で息が荒い。

これはやばいなと思っていると、急に咳をし出した。 
どんどん咳がひどくなり、ゲボゲボ!オウエッツ!!なんてやってる。 
嘔吐するときのように、身体もビクンビクンやってる。 
俺は必死で背中をさすって、「だいじょうぶか」としかできない。 
しばらく激しく咳き込んで、ゼーゼーやっていた。
ようやく落ち着いたら、涙目で「あああ、すっきりした」と笑った。 
(正直なところ、グロいものを見たような感覚だった) 
ほんとにだいじょうぶかと尋ねると、ケロっとしてる。 
再び車に乗り、「おまえ喘息だっけ?」と聞くと、「いや違うよ」と。 
友達、急に元気になり「なんかすげえ身体が軽いんだけど!」 
とか言って、うざいくらいテンションが高くなった。 
そんで、「神社はいいよ。なんかすっきりしてるし今」ということで、 
そのままドライブして夜には地元へ帰った。 
帰る途中、「これっておまえのご先祖様の力じゃね?」とか 
あまりにもしつこいので、俺は適当に相づちをうっておいた。

それから友達はすっかり体調も精神面も戻った。 
場所を調べたら、咳き込んだ場所は一帯に城があったところだそうで 
「俺に憑いていた何かを出してくれたに違いない」と言い出し、 
まるで武勇伝のごとくその話をするようになった。 
まあ俺の20代ほど前までのご先祖様はそこに住んでいたから 
何らかがあってもおかしくはないかと思うが、さすがに言い過ぎかと。 
でもその一件で元気になってよかったと思う。

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