覗き穴

原著作者:2011/07/30 04:11 烈兄貴さん「怖い話投稿:ホラーテラー」
かなり有名な話なんで既に出てるかも知れない。
俺が聞いた数あるホラーの中でも最も怖いと思った話。
オチがわかったときは背筋が凍った。
出来るだけシンプルにまとめます。

ある日いつものように高校から帰る2人の女子校生がいた。
2人をAとBとする。
2人が学校から帰る途中、
まるでモデルのようなスタイルの良い女性が
自分たちの前を歩いてることに気づいた。
着ている服もとても洒落ていて、いかにもファッション誌に出てくるようなお姉さんだ。
前を歩いてるので顔は見えない。
しかしきっと美人に違いない。
2人は女性の後を追うことにした。
やがて女性は学校からだいぶ離れたところにある住宅地の一角に来た。
女性は自宅であろう古く寂れた一軒家の中に入っていった。
それっきり女性は出て来そうにない。
だがこのまま帰るのもつまらない。
ふと、Bが提案した。
「ねぇ、インターフォン押してみない?」
家は石で出来た塀で囲うように佇んでおり、
インターフォンは入り口の門の右にある。
玄関は門を入って低い石段を登り3メートルほど進んだところにある。
インターフォンを押して塀に隠れていよう。
もしかしたら女性が玄関を開けて顔を覗かせるかも知れない。

インターフォンを押した。
だが女性は出てこない。
もう1度押した。
やはり出てこなかった。
あきらめて帰ろうとしたとき、Aはつい興味本位で飛んでもないことを思い付いてしまった。
玄関の除き穴を外側から覗いてみよう、と。
穴から数センチ離れて覗けば中が見えるかも知れないと思ったのだ。
Aは音を立てぬよう恐る恐る玄関の前に近寄った。
目からやや離して覗き穴を覗いた。
ところが女性の姿どころか玄関すら見えなかった。
ただ覗き穴の奥に赤い何かが見える。
しかしそれだけだった。
やはり中を見るのは無理か。
2人はあきらめて、家に帰ることにした。

次の日の休み時間、クラスメイトであの家の近所に住む男子生徒Cに聞いてみることにした。
A「あなたの家の近くにすごくスタイルの良い女性が住んでない?」
Aは男子生徒に女性の家があった大まかな場所を教えた。
C「ああ、あの石塀の古い家か。あそこはとっくの昔に空き家になってるよ。」
A「うそ? じゃあ、ウチらが見た女の人は何なの?」
C「霊だろう。昔あの家で殺された女性がいたんだそうな」
男子生徒は声を潜めて話を始めた。
そう遠くもない昔、とある男女があの家で同居していたそうだ。
ところが日を増すごとに仲が悪くなっていき、
ある日ちょっとした喧嘩がきっかけで男がかっとなり
女性を殺してしまったそうだ。
男子生徒は言った。
「アイスピックで女の両眼を突き刺したらしい。惨殺だってさ。後日、男も謎の死を遂げたらしい。近所の人であの女性の霊を見た人は何人かいる。でも目を合わせた人はいない。女性は真っ赤な目をしていて、もし目と目が合うと数日後に同じように殺されるんだとか。」

では昨日2人が見たのは殺された女性の霊だったのか。
3人はとても怖いねぇーと感嘆して
そこで話は終わった。
チャイムが鳴って皆そそくさと自分の席に戻っていった。

Aは気づいてしまった。
自分が後に殺されることに。

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