適当な母親

680: 本当にあった怖い名無し:2011/12/12(月) 01:57:29.08 ID:l0GwQw7yO

俺の母親は何事においても適当な人で、
そして時々ぶっ飛んだ事を言う人だった。

小学校時代、兄妹で軽くイジメに遭っていた。
お互いに慰めあっていたのでなんとか登校できてる
そんな状態が続いた。

やがて中学にあがった自分は剣道を始めて苛められなくなり
まだ小学校の妹は相変わらず苛められるという状態。

余り頼りには出来ないとわかっていたが
妹が可哀想なので母親にも話をした。

母親は自分達が苛められてる事は
その時が初耳だったようで
ビックリしていたものの、深刻そうな顔はしなかった。

「でもね、チャンスだと思う」 
母親がこう話し始めた時、
俺はよくあるプラス思考的な事を言うのだろうと思った。

「苛めてる奴らを皆殺しにすれば?」
「そしたら世の中の苛められっ子の救世主になれるんじゃない」
「苛めたら殺される世の中なんて素敵よね」
「きっと世の中の苛めを無くすためには必要な事なのよ」

妹は次の日、吹っ切れた顔で学校に行った。
自分は思った。手に握り締められていたものに早く気づくべきだったと。 

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