金縛りに関する話

616 :本当にあった怖い名無し :2010/03/27(土) 21:59:28 ID:Ia1evdyp0
知り合いの金縛りに関する話。
知り合いはしょっちゅう金縛りに悩まされているらしいのだが、
いつもその金縛りのパターンが決まってるそうだ。

まず最初にふと目が覚める。すると誰かがひそひそと話す独り言がきこえてくる。
この話し声が始まってからは全く動けなくなり、また視界の隅に人影を確認できるようになる。
するとそこに別の方向から別の独り言がきこえ、そしてそのうちにぼそぼそと声が会話をし始めるそうだ。

またしばらくすると新しい声が会話に混じる。
さらに一人、もう一人、と、話し声がどんどん大きくなるにつれて、その間に人影も増えていく。
最終的には自分の寝室を影で埋め尽くされるほどの規模になるらしい。
しかし声は依然として限度なく大きなり、それは人が眠る場所に適さない喧騒みたいな音量だそうだ。

しかも活気溢れる町並みのようなそれでは決してなく、延々に陰鬱とした大量の話し声が耳にまとわりつく。
その知り合いが耐えかねて、いい加減にしてくれと心の中で呟いた瞬間、会話がぴたっと止まるのだと。

そして部屋に何十人といる人影からいっせいにじいっとにらまれるらしい。
さっきのうるるさが嘘のように、無言で数分間も。 

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