第45話『「ばいばい」』@ 雷鳥一号◆jgxp0RiZOM 様

知り合いの話。

彼女の家は、墓地のすぐ横にある。
まだ幼い長男が、いつも決まった場所に「ばいばい」と手を振るのだそうだ。
誰もいない墓所の中に向かって。

先日、友人が同い年の子を連れ遊びに来たのだが、やはりその子もそこに向けて
「ばいばい」と手を振っていたという。

「どうにも気持ち悪いけど、別にそれ以上怖い思いはしていないんだよね」
そう言って彼女は顔を顰めていた。