第33話『遺書』@ 代理投稿立候補◆YtFiiqjbeo 様

友人の話です。
友人が高校生の頃、同級生の女の子が自殺したそうです。原因は結局不明のまま。受験ストレスで片付けられてしまいました。
するとその子が亡くなった直後から、その子のクラスメート全員に、不幸な出来事が続くようになりました。
重い内容で言うとある者は突然母を亡くし、またある者は兄弟が「子供同士のおふざけ」の最中に後遺症の残る怪我を負う。そんな具合でした。

実は自殺した子、クラスメート全員から空気のように扱われ、それを苦にして自殺したそうです。
なぜそんなことが分かるのかというと、彼女の遺書が友人の靴箱に入れられていたから。
彼女、友人に片想いしていたようなんです。
クラスメートへの恨みが込められた遺書の裏側には、友人への淡い恋心とそれを成就させずに去らなければならないことへの無念、遺書は絶対に公開せず友人に持っておいてほしい旨が綴られていたそうです。
友人は遺書を公開しようと思ったそうですが、彼女の遺志を尊重しその存在を隠しました。

彼女のクラスメートに起こった出来事は遺書の呪詛や恨み言にそう形であったため、怖い話と言えば怖い話なのですが、この話を聞くとどこか切ない気持ちになります。