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お爺さんとオジさん

ゾッとする名無しさん@特選怖い話:2019/12/07 16:38 ID:41BdCRwI

この話は私が小学四年生の時の話です。
単純に私が一人で怖がっているだけの話かもしれませんが、いつまでも忘れられないので書き出します。

ある日の夕暮れの中、塾からの帰り道の前方にお爺さんとオジさんがこちらを見ながら立っていました。
お爺さんは60代か70代くらい、オジさんは40代のようでした。
私は何だか嫌だなと思いながら通り過ぎようとしたのですが、お爺さんの方から話しかけられました。

お爺さん「一人で帰っているのかい?危ないから、一緒に帰ってあげるよ」

我が家はここから20分はかかるのですが、私は怖かったので嘘をついて断ろうとしました。

私「ありがとうございます。ですが家はすぐそこなので大丈夫です」

傍にいたオジさんは無表情で一言も話さずじっとこちらを見ていました。
お爺さんはなおもしつこく話しかけてきます。

お爺さん「いやいや、すぐだとしても何があるか分からないから、一緒に付いていこう」
私「いえ、本当にすぐそこなので大丈夫です」

何度か押し問答をお爺さんと繰り返しましたが、埒が明かないので私はお爺さんのことを無視して歩きはじめました。
するとお爺さんもしつこくて、私が歩き始めると「ほら、一緒に帰ってあげるよ」と話しながら後ろを付いてきました。
一緒にいたオジさんはお爺さんと知り合いじゃなかったのか、何故か私をずっと見たままその場に留まっていました。
私はお爺さんのことが嫌でしたが、オジさんのほうはそれに加えて気味が悪いと感じました。

私はお爺さんが話しかけてくるのを無視しながら歩いていました。
すると不思議なことに、角を曲がった前方に先程のオジさんが現れたのです。
別の道を通って追い越したのかもしれませんが、何故そんなことをするのか分からず、私はとても怖くなりました。
相変わらずお爺さんは私に話しかけながら後ろを付いてきています。

私はお爺さんは嫌でしたがそれは性格的に嫌という感じで、怖いという感じではありませんでした。
そこでオジさんの横を通り過ぎる時だけ少し歩みを遅くし、お爺さんと私が横に並んで歩くようにしました。
そうすることで前に居るオジさんとすれ違う際に間にお爺さんが入るようにしたのです。
お爺さんも嫌でしたが、じっと私のことを見つめてくるオジさんがそれくらい怖かったのです。

横を通り過ぎてもオジさんは特に何もしてきませんでした。

お爺さん「ほら、子供が一人だと何があるか分かんないから危ないよ」

お爺さんはこちらが無視していても相変わらず話しかけてきますが、私は気味の悪いオジさんを超えたのでホッとしていました。
しかし、角を曲がった先に、再度オジさんは現れました。

何が起こっているのか分かりませんでした。
二度も通り過ぎたオジさんがまた前方に立っているのです。
明らかに私のことを狙っているようでした。

私は引き返したい気持ちに駆られましたが、そうすると家に帰ることができません。
本当に怖かったのですが、先程と同じようにお爺さんと横に並ぶように歩くことでオジさんをまた通り過ぎました。
オジさんは相変わらずじっと見つめるばかりでこちらに話しかけてきたり何かしてくることはありませんが、じっと見つめられていた恐怖は今でも脳裏に焼き付いています。

それから更に二度オジさんは現れました。
しかし私は同様にその時だけお爺さんと横に並ぶようにすることで通り過ぎることが出来ました。
傍から見ると子供に無視されながらも話しかけてくるお爺さんも十分な不審者ですが、その時ばかりはお爺さんの存在がありがたいと感じていました。

その後、我が家が見える距離になると私は走って家に飛び込みました。

私「ただいま!」

私は元気よくドアを開けて飛び込むと、お母さんがキッチンから迎えてくれました。

お母さん「おかえりー、すごい遅かったじゃん。何かあったかと思っ」

お母さんは私に付いてきていたお爺さんの存在に気づくと、途中で話すのをやめ、すごく嫌な顔をしていました。
お爺さんは家の前まで来ていましたが、そこからは中に入ろうとはせずただニコニコしながら玄関にいる私とお母さんを見ていました。

お母さんは素早く玄関の鍵を閉め、勝手口やリビングの窓等、家中の鍵を閉めてカーテンで中を見られないようにしました。

その時私は、お母さんが独り言を言っているのを聞いてしまいました。
お母さん「最悪・・・あいつかよ」

私はお母さんにお爺さんのことを訪ねましたが、はぐらかされて何も分かりませんでした。
次の日以降はお爺さんもオジさんも現れることもなかったので、お母さんにこの日の出来事について聞いていません。

あのお爺さんとオジさんは何だったのか、お母さんが何を知っているのかは分かりません。
聞いてしまうと今の生活が崩れてしまう気がしてとても怖いので、このままその日のことはここに書いて忘れようと思います。

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