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ヒトではない何か

転勤族パパ@特選怖い話:2017/01/26 00:11 ID:Ly.biySE

先に断っておくと、私は所謂『見える人』ではない。

霊なんかの存在は信じていなかったし、むしろバカにしていた人間だ。

そんな私は大学を卒業し、地元の企業に正社員として就職、仕事にも慣れ、順風満帆な人生を歩んでいた。

そんなある日、

幼稚園からの地元の友達から、祭りに行こうと誘われた。他にも数人誘っているらしい。

子供の頃は毎年楽しみにしていたが、地元の小さな祭りなので『大人になった今の自分たちには物足りないのではないか?』と思いつつも、

懐かしい友人たちと酒を飲みながら童心にかえるのも良いかと思い、快諾した。

参加者は、言い出しっぺのKと私、
そして小中学校の同級生のOとSである。

祭りの日、酒を飲むつもりだったので車では行かず、K宅にチャリで集合→バスで祭り会場まで行った。

酒を飲み、屋台で大人買いし、ナンパに全敗し(苦笑)、最後は祭りの会場から少し歩いた焼き鳥屋で飲み食いして昔話に花を咲かせた。

田舎の焼き鳥屋なので割と早くに閉店の時間になり、酔いを覚ましつつ、全員歩いてK宅へ帰ることにした。

子供の頃は車なんてもってなかったし、バス代に金を使うぐらいなら歩いて節約し、そのぶん駄菓子屋でいろいろ買ったものだ。

少し距離はあったものの、歩いて帰るのも悪くなかった。

K宅に着き、私、O、Sの3人は『またな〜』といった軽い挨拶で、それぞれ
帰路についた。

しばらく進むと地元中学生たちのチャリ軍団とすれ違った。昔と変わらないうちの中学のジャージを着ていた。

『さっきまで一緒にいたKたちとオレも、昔あんなだったな…』なんてほのぼのした気分になったのも束の間、

前方の街灯の下に女が立っている。

すでに夜12時をまわっていたから『こんな時間に女1人で出歩くとか危険だろー』って思った。

あんまり近くを通っても危ないし、かといって距離をとりすぎても怪しんでるみたいで失礼かと思い、ほどほどの距離で前を通り過ぎようと思った。

あまりジロジロ見るのも変だと思い、フツーに前を見て自転車をこいで、女の前を通り過ぎようとしたその時、

『オ゛オ゛オ゛ォ゛ォ゛…』

その女から男が唸っているような低い声が聞こえた。

『…えっ?』

一瞬女の方に視線をやった。

一瞬だったはずなのに今でもハッキリと思い出せる。

ボロボロの白い布を纏っていて、腕は布の外に出ていないのに、中に腕が入っているにしてはやたら細い身体…

少し前傾した姿勢で、ボサボサの長い髪が顔のほとんどを覆い、わずかに見えたアゴは青白く、生気を感じない…

『これはヒトではない』そう直感でわかった。

全速力でチャリこいで逃げたんだけど、近づく街灯がことごとくバチバチ音たてて点滅して、『ヤバイついてきてるかも』と思いつつ、後ろを振り返らずに家まで帰った。

家に入る前にオカンを呼び、事情は後から説明すると言って、塩をふってもらってから家に入った。

家ではオヤジもオカンもまだ起きていて少し安心した。

オヤジは心霊の話を絶対に信じないし、それどころかバカげていると嘲笑うタイプの人なので(私も元々はそうだったが)オヤジが寝てからオカンに話した。

あの『ヒトではない何か』を見てしまった場所について、詳しく話したら、

『あの横にあるアパート、この前自殺があってパトカーとまってたよ』

『アレ』がいた道は、普段オカンがパート先に向かうとき通る道なのだ。

とりあえずその晩は効果があるかわかんないけど部屋の四隅に盛り塩して、毎年正月にもらう神社の災厄除けのお札持って電気消さずに寝た。

その後、特に被害は無かった。

これをきっかけに他の霊も見えるようになる、なんてことも無かった。

だから安心してたんだ。

なのに…

なんで今更…

しかも転勤で地元を離れたのにどうして…

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