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羅蟲

くま◆PKvfPMEExs@特選怖い話:2023/11/15 16:35 ID:GBTcl10U

話していいのかわからないが一人で抱え込みたくないため話そうと思う。
約5年ほど前の中学2年生の時の話。
当時僕はAという仲が良かった友達がいた。
そのAは霊感が強くよく体験した怖い話とかを話してくれてた。とにかく仲が良かった。
でも、少ししてAはおかしくなった。
ある日急に「俺と関らないでくれ」と僕に言ってきた。
「は?」ってなって理由を聞くんだが「関わるな、やめろ、やめろ、やめろ、」といってくるだけだった。
そんなAが怖くて不気味で仕方がありませんでした。
先生にも相談したんだが「K(自分)がなんかしたんじゃないの?」といわれて使えないことに気づいた。
それから会話もかかわりもないまま2週間が過ぎた日のことだった。
その日家に両親どちらとも翌日までいない日だったのでめっちゃうれしかったのを覚えている。
夜中の12半くらいだろうか、インターホンがなった。
親?って思っったが違かった。
そこにはAがいた。
ずっと話していなくてうれしかった半面、夜中に来たことによる気味悪さもあった。
インターホンに出ると「今外出れる?」と聞いてきたので戸惑いながらも「なんで?」と聞き返した。
それでもAは「いいから、お願い」といってくるだけだったので仕方なく着替えて外に出た。
外にはAのほかには誰もいなくて「行こう」とだけ言われました。
「どこに?」って聞くとAが、「き・も・だ・め・し・」って言われたんだ。
多分その時声に出して「は?」って言ったと思うw
どこにいくのか聞いてみたら近所で有名な廃れた古民家だという。
この時、行くなければよかったと今では強く思う。

少しして懐中電灯、リュックサックにお菓子とか詰め込んで出発するとき、Aが「なんかあったらしめてな」と意味の分からないことを何度も言ってきました。
俺が「しめてってなに?」って聞いても「なんかあったらの話なの!」とまともな返事が返ってこないのでスルーしていました。
10分ほど歩くとその古民家はありました。
でも、いつもと雰囲気が全く違かった。
直感で「入ってはいけない」って思ったけど、Aに腕を引っ張られながら「はいろ!」と笑顔で言ってきたので、さすがに拒否りました。
「やばいって、やめよう。帰ろ!」って言った瞬間、Aは二ニコニコしていた顔を鬼のような形相に変えて、「来いって言ってんだろ!?いい加減にしろよ!」と怒鳴られました。
Aが怒鳴ってるところは見たことがなかったので怖くなり渋々ついていきました。

「※立ち入り禁止」と書いてある柵を飛び越え敷地に入った。
敷地に入ってすぐAがぶつぶつと何かをつぶやいてるのがわかりました。
でもさっきのこともあり話しかけられませんでした。
そんなこんなで古民家の目の前まで来た。
怖くて仕方がなかったがなぜか逃げるっていうことは考えられなかった。
Aが「はいるぞ」とだけ言い進んでいきました。
その古民家は3階建てでまずは一階から見ようってことになった。
真っ暗い古民家の中を懐中電灯で照らすと古くて汚いがただの昔の建物って感じだった。
だが俺はここで見てしまった。懐中電灯を照らした奥の廊下に、こちらを見つめている何者かによる視線に。
俺は怖くて動けなかった。
体中から変な汗がじわじわ出てきた。
Aはそれに気づかずどんどんそいつのほうに近づいていく。
止めなきゃ、帰らなきゃ。そう頭の中で思ってもAは進んでいく。
しかし、Aは平気な顔で「来いって」というだけだった。
その一言で体が動いた。もうその視線はなくなっていた。
奥に進むと退屈そうな顔したAがお菓子を食べていた。
そして「2階いくか」といって先にAが行った。
2階はヤバイ雰囲気だった。
Aもそれを感じたのか急に黙った。
2人で奥に進む。
すると一つの部屋があってそこに入った。
そこには何もなかったのだが部屋の片隅に3面鏡がついている化粧台?のようなものがあった。
Aはそれに近づき引き出しを開けてしまった。
中には「羅蟲」と書かれたブレスレットのようなものがあった。それをAはふざけ半分で手首につけた。
その瞬間、三面鏡が割れ、女の笑い声が古民家全体に響き渡った。
俺の中にある本能が「ヤバイ」って訴えてた。
Aに「逃げよう!」って叫ぼうとした。
でもAがいなかった。
その代わり赤いワンピースを着た女が笑いながら手にカッターのようなものを刺していた。
怖かった。
とにかく怖かった。
Aを探さなきゃいけないけど逃げないといけない。
俺は逃げる選択肢を取った。
古民家から出てひたすら家まで走る。
でも家には親がいないためAの家に駆けこんだ。
Aの家に着きチャイムを連打。
出てきたのは心配そうな顔をしたAの母親だった。
とりあえず玄関に入れてもらった。
先に口を開いたのは俺だった。
「すみません、Aと古民家に肝試しに行ったんですけど、Aがいなく…」
そこまでしゃべったときAのお母さんが血相を変え、こう言うった。
「あ、あそこに行ったの・・?本当に?」あまりの緊迫感に頷くことしかできなかった。
その瞬間、Aのお母さんに頬をひっぱたかれた。
思いっきり。
そしてこう続けた。
「二階!二階には行ってないわよね!」
大きな声でそう言った。
俺は小さい声でこう答えるしかなかった。
「い、行きました。」
そういった瞬間Aのお母さんは震えた声で言った。
「きょ、鏡台は?引き出し!開けてないわよね!」
そういわれたが俺は首を横に振ることしかできなくなった。
しばらくしてAのお母さんは震えながら玄関に倒れこみとてつもない声で泣き喚いた。
その状況に俺は何をすればいいのかわからなかった。
その声で起きたのかAの父親も起きてきた。
Aの母が事情を説明すると同様に震えながらAの父がこういった。「開けたんだな?誰が開けた?中身をどうした?」
そう聞かれた俺は「開けたのはAです。腕輪みたいなのをAがつけたときにAがいなくなりました」
小さい声でこう答えたはず。
するとAの父親が「馬鹿野郎!」といって思いっきりひっぱたかれました。
「とにかく一緒に行くぞ!ちょっと待っとけ」って言われて1,2分待ったら父親が戻ってきた。
俺に何かを差し出した。
お札だった。
「これを絶対に持っとけ。肌身離さずな!」とだけ言われてAの父親と古民家に向かったんだ。
正直、何が起こってるのかわからなくて怖くて仕方がなかったがついてくことしかできなかった。
古民家に入ると父親は真っ先に2階へ向かった俺も後をついていく。
例の鏡台がある部屋に真っ先に入っていった。
後に続いて入ったおれは身動きが取れなくなった。
その部屋は血のにおいが充満していて部屋の中央にAが座り込んでいた。
しかし様子が変だった。
焦点が定まっていない目をユラユラさせながら指をなめていた。いや、指を食べていた。
その腕にはあのブレスレットのようなものがはめられていた。
それを見たAの父親は「羅蟲だ…」と言葉を放った。
その時は気づかなかったが赤いワンピースを着た女が笑っていたような気がする。
とりあえずAを担ぎ古民家から出た。
Aの家に戻るとお坊さんに近所の人が夜中だというのにごったがえっていた。
家に入った瞬間に、お坊さんはお経を唱えていた気がする。
そして近所の人全員であのブレスレットを引っこ抜こうとしていた。
しかし、なぜか抜けなかった。
いくら力を込めても抜けなかった。
その間もAは指をかみちぎりながら笑っている。
この状況に俺はどうすることもできなかった。
お坊さんに「もう帰りなさい」と言われるまでずっと突っ立っていた。
後日俺の両親にめちゃくちゃ怒鳴られた。
今までにないくらい。
数日後A家族は引っ越した。
自分の両親からも、「あのブレスレットのようなものは羅蟲という呪いの道具」だったことと、「Aは元には戻らない」ってことだけを教えてくれた。
最後に「もうA君のことは忘れろ」とだけ言われてこの件は終わったんだ。
最後に、分かってると思うけど、この古民家の場所がわかっても絶対に、絶対に行くな。

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